2025年3月、Googleは新LLM「Gemini 2.5 Pro」の試験運用版を発表した。同モデルはどのような価値をユーザーにもたらすのか。「Gemini 2.0」からの強化点とは。
各AI(人工知能)ベンダーは次々と新しい大規模言語モデル(LLM)を発表しており、その勢いはとどまる気配がない。中でもGoogleの「Gemini」シリーズは注目されるLLMの一つだ。
Googleは2023年12月に「Gemini 1.0」、2024年2月に「Gemini 1.5 Pro」を発表。同年12月には「Gemini 2.0」を発表し、2025年3月には早くも「Gemini 2.5 Pro」の試験運用版を公開しており、Geminiの革新スピードは加速している。Gemini 2.5 Proはどのような進化を遂げているのか。
Gemini 2.5 Proは、AI研究開発機関Google DeepMindが開発したLLMであり、2025年3月の登場時点でGoogle史上最も高性能なAIモデルと位置付けられている。Gemini 2.5 Proの発表は、以下のような推論モデルがLLM市場で存在感を強める中での動きと捉えることができる。
特に注目すべきは、Gemini 2.5 Proが「思考モデル」(Thinking Model)として設計されている点だ。高度な推論機能が中核に据えられており、2024年12月に発表された試験運用版の推論モデル「Gemini 2.0 Flash Thinking」の進化版と位置付けられる。
Gemini 2.5 Proは、プロンプト(AIモデルに対する指示)の遂行に必要な手順を段階的に推論するChain-of-Thought(CoT:思考の連鎖)手法を内部で自律的に処理する設計を採用しており、文脈に即したより精度の高い出力が可能となっている。
GoogleはGemini 2.5 Proに対し、強化学習や事後学習などの技術を適用することで、さらなる精度向上を図っている。公開時点のコンテキストウィンドウ(生成AIがやりとりの中で保持できる情報量)は最大100万トークン(テキストデータを処理する際の基本的な単位)で、将来的には200万トークンに拡張する計画だ。
Gemini 2.5 Proのその他の主な強化点は以下の通り。
次回は、Gemini 2.5 Proの用途や他サービスとの連携について解説する。
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