「5G」はもう当たり前? “4G超え”の普及をけん引する分野と地域は5G接続数が早くも22億件突破

「5G」(第5世代移動通信システム)が「4G」(第4世代移動通信システム)より速く普及していることが分かった。けん引役となっているのはどの用途と地域なのか。調査結果から5G普及の状況を見てみよう。

2025年05月19日 05時00分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

 通信事業者による業界団体の5G Americasが調査会社Informa Tech(Omdiaの名称で事業展開)と共同で実施した調査によると、全世界における「5G」(第5世代移動通信システム)の接続数は2024年末の時点で約22.5億件に達した。5Gは「4G」(第4世代移動通信システム)をはるかに上回る速さで普及しているという。5Gの採用は特にどの地域や分野で進んでいるのか。

「5G」普及をけん引する分野や地域は?

 5G Americasによると、5Gは4Gと比べ、同様の期間に4倍の速さで普及した。5G接続数は2029年までに約83億件に達し、世界の移動通信技術全体の59%を占めるようになると同団体は予測している。特に5G普及をけん引するのは、IoT(モノのインターネット)だという。

 5G Americasは5Gの地域別の普及状況も調べている。それによると、北米では5Gと4Gの接続数が世界で初めて同数に達した。その背景として同団体は、北米ではイノベーション創出を目指した組織のIT投資が活発なことを挙げている。中でも、産業オートメーションや遠隔医療、人工知能(AI)技術を利用した物理インフラ管理といった分野で5Gの採用が進んでいると5G Americasは説明する。

 2025年3月17日(米国時間)の時点で、5G Americasが確認した全世界の商用5Gネットワークの数は354件だ。そのうち、北米は18件、中南米は53件となっている。同じ時点で全世界の商用4Gネットワークの数は706件。そのうち、北米が18件、中南米が134件だ。

 2024年末の時点で北米の5G接続数は約2億8900万件に達し、約1億9600万件だった2023年同期比で67%増加した。北米における5Gの人口カバー率は77%に達した。これに対し、北米における4Gの人口カバー率は、同時期相当の2014年時点で47%だった。

 中南米でも5Gの普及が急速に進んでいる。5G Americasによると、2023年から2024年の1年間で、5G接続数は約3850万件から約7600万件へと倍増した。ただし、中南米では5Gの普及は加速していても、4Gが依然として主流となっている。5G Americasによれば、4Gのユーザー数は中南米の移動通信接続数の約4分の3を占めている。

 5G Americasのプレジデント、ベト・グエン氏は今回の調査結果を受け、「5G採用に関して北米のリーダーシップが示された」とみる。Omdia主席アナリストのクリスティン・ポーリン氏は、「北米における5Gの普及の勢いは世界的普及のベンチマークとなっている」と述べる。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国Informa TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...