TeamsもAzureも使用不能に Microsoft“世界的クラウド障害”とは何だったのか「Microsoft 365」「Azure」障害の影響と裏事情【前編】

日本を含む世界中で2023年1月、「Teams」「Azure」といったMicrosoftのクラウドサービスが、一時的に利用できなくなった。何が起きていたのか。当時の状況を詳しく説明する。

2023年04月10日 10時00分 公開
[Caroline DonnellyTechTarget]

 ユニファイドコミュニケーション(UC)システム「Microsoft Teams」など、Microsoftの複数のクラウドサービスが2023年1月に一時的に利用できなくなった。同社の社内インフラにおけるネットワークに、異常が発生したことが原因だったという。世界的規模に及んだ今回の障害では、何が起こったのか。

管理コンソールも使えない――“世界的障害”で起きたこと

 今回の障害ではTeamsに加えて、メールサーバサービス「Exchange Online」やファイル共有サービス「SharePoint Online」など、同社のサブスクリプションオフィススイート「Microsoft 365」(Office 365)の各サービスの利用にも影響が生じた。同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」にも、接続しにくいといった状況が発生したという。

 クラウドサービスなどの各種オンラインサービスの稼働状況を監視するWebサイト「Downdetector」によると、2023年1月25日7時(英国時間)ごろ、複数のMicrosoft 365ユーザーがサーバ接続の問題を報告。Downdetectorは、英国だけではなく日本やインド、オーストラリア、アラブ首長国連邦(UAE)でも、同様の問題が起きていると説明した。

 MicrosoftはSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の公式アカウントや公式Webサイトで、一連の問題に関する情報を発信。ユーザー企業に対して、詳細をMicrosoft 365やAzureの管理コンソールで確認するよう呼び掛けた。ただし複数のユーザー企業は、管理コンソールにもアクセスできないことを指摘した。


 次回は、Microsoft 365などのクラウドサービスの障害発生時に、ユーザー企業が対処すべきリスクを説明する。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...